CCCマーケティングと目指すライフスタイルコンテンツ

シチズン時計株式会社

営業統括本部 オープンイノベーション推進室 室長 大石 正樹 氏

2019年3月、シチズン時計株式会社(以下、シチズン時計)は、独自のIoTプラットフォームであるRiiiverと、それに対応するデバイスとしてスマートウオッチ「Eco-Drive Riiiver」を発表。一般店頭販売にさきがけて、同年6月にCCCグループのクラウドファンディングであるGREEN FUNDINGで「Eco-Drive Riiiver」の先行発売を実施したところ、販売数・金額ともに大幅に目標を超過するという、大きな反響を得ることができました。 そこで、シチズン時計の営業統括本部オープンイノベーション推進室 室長の大石正樹氏(以下、大石氏)に、Riiiver、Eco-Drive Riiiverとは何か、そして告知のためにクラウドファンディングを利用した意図と今後の展開について、話を伺いました。

  • 目的
    Riiiverを利用して一緒に育ててくれるユーザーを集めること
  • 施策
    CCCグループのクラウドファンディングであるGREEN FUNDINGで「Eco-Drive Riiiver」の先行発売を実施
  • 効果
    金額ベースで目標の約70倍の1億円超の支援達成

ユーザーとのコミュニケーションを図るためにクラウドファンディングを活用

Riiiverとは、インターネットを介してモノとつながる、シチズン時計独自のIoTプラットフォームです。2018年に創業100周年を迎えたシチズン時計は、今後の新たな100年に向け、今までの時計づくりの枠にとどまらない新たな展開を検討していました。Riiiverは、そのなかで生まれた「モノづくりからコトづくりへ」というコンセプトを具現化した施策で、Eco-Drive Riiiverは、そのRiiiverに対応したアナログタイプのスマートウオッチです。

Riiiverの使い方は、まず、スマートフォンにRiiiverアプリをダウンロード。そのアプリで、自分がEco-Drive Riiiverで実行したい機能を作成します。そしてその機能をEco-Drive Riiiverに転送し、Eco-Drive Riiiverのボタンを押すと、たとえば、メールが配信されたり、あるいは野球のスコアを針で表示したりといった機能が実行されるという仕組みです。これらの機能は、Eco-Drive Riiiver1台に3つまで登録できます。

シチズン時計では、Eco-Drive Riiiverの店頭発売に先立ち、CCCグループのクラウドファンディング「GREEN FUNDING」で先行発売を実施。その理由について、大石氏は次のように話しました。

「先行発売においては、もちろん販売数は大切ですが、我々が重視するのはそれだけではありません。Eco-Drive Riiiverの最大の特徴は、プラットフォームであるRiiiverと連携することですが、Riiiverは、今回初めて公開されるシチズン時計独自のプラットフォームです。そのRiiiverをよりよいものにしていくために、一人でも多く、Riiiverを利用して一緒に育ててくれるユーザーを集めることも大切な目的でした。

そして、Eco-Drive Riiiverを売りっぱなしにするのではなく、Riiiverの理念に共感し、Eco-Drive Riiiverを購入してくれたユーザーから、Eco-Drive RiiiverやRiiiverについての意見を聞き、改善を図っていく。そのようなコミュニケーションが可能になる先行発売を実現するためにはどのような方法がよいのか、自社オンラインショップ、直営店、一般時計販売店などさまざまな検討を重ねました。その結果、クラウドファンディングが最も適しているという結論に至りました

また、数多くあるクラウドファンディングのなかからGREEN FUNDINGを選んだ理由について、大石氏はこう説明します。

「GREEN FUNDINGがCCCグループという点が大きいです。Riiiverを広げて行くためには、クラウドファンディングというオンラインでの施策に続き、スムーズにオフラインでの展開を進める必要があります。むしろ、そこからが本当のスタートです。CCCグループなら、GREEN FUNDINGのようなオンラインでの事業だけでなく、蔦屋書店というオフラインの販売チャネルも持っている。さらに お互いに持っているリソースを活用し、新しいチャレンジができる可能性もある。そのように、クラウドファンディング終了後の展開を見据え、GREEN FUNDINGを選びました」

 
予想を大幅に超える支援を実現

そしてシチズン時計では、2019年6月から8月までの期間で、Eco-Drive Riiiver50本、金額ベースでは150万円を目標にGREEN FUNDINGでの施策を開始。すると、開始早々から大きな反響があったそうです。

「スタートから想定以上の勢いがありました。少し落ち着いたかなと思うとメディアにRiiiverが取り上げてもらえ、また勢いを取り戻すという流れで、結局最後まで落ち続けることはありませんでした」(大石氏)

最終的には金額ベースで目標の約70倍の1億円超、本数でも60倍に近い約2800本という大きな支援を得ることができました

そのため、当初は8月中には完了する予定だったEco-Drive Riiiverの生産・配送が11月下旬までかかり、その結果、10月末予定だった同社の公式オンラインショップでのEco-Drive Riiiverの販売開始が11月末にずれこむなどの変更を余儀なくされたそうです。

「成果は我々の想定をはるかに上回りました。まさに嬉しい悲鳴とはこのことで、支援金額が1億円を超えるころには、生産や販売のスケジュールを考えると、胃に穴が開くような思いでした」(大石氏)

この、想定をはるかに上回る成果をあげた今回の施策の背後には、集客促進に向けたページ改善の提案や宣伝広告のターゲット設定など、GREEN FUNDINGのきめ細かなサポートがあったと大石氏は話します。

「宣伝広告については、Riiiver、Eco-Drive Riiiverのような新しいコンセプトのプロダクトの場合、我々がリーチできていない顧客層に情報を届ける必要があります。それらの新たな層への発信にGREEN FUNDINGが的確に動いてくれたことが、今回の数字に大きな影響を与えたのではないかと思います」

また、RiiiverアプリのUI/UXについてのユーザーからの意見も非常に有効だったそうです。

「すべての支援者へEco-Drive Riiiverを届け終わったのが11月末。一般店頭での発売開始が12月末だったのですが、この1ヶ月の間で、それまでにSNSなどを通じていただいていた意見をもとに、アプリの修正を進めました。これは、まさにユーザーとともにRiiiverを育てる取組みであり、クラウドファンディングで先行発売をしていたからこそ、可能になったことです」(大石氏)

クラウドファンディングのコメントには「シチズンの時計は買ったことがなかったが、コンセプトに共感したので支援します」「スマートウオッチなのにデジタルではなく針だけというコンセプトが面白い」などの言葉が寄せられました。このようなコメントをタイムリーに確認でき、メンバーのモチベーション向上にもつなげられたのも、クラウドファンディングの成果だと、大石氏は考えています。

 
CCCマーケティングにかける、オフライン展開への期待

大石氏の今後の課題は、オフラインの顧客体験を通じて、より多くのRiiiver、Eco-Drive Riiiverユーザーを獲得していくことです。
GREEN FUNDINGでの成功を受け、オフライン戦略については、CCCグループの一員であるCCCマーケティングと強力なタッグを組み、RiiiverやEco-Drive Riiiverをユーザーのライフスタイルに落とし込むための施策を展開していこうと考えています。

さらにその先の展開についてうかがうと、大石氏は次のように話しました。

CCCマーケティングには、マーケティング施策に関して、豊富な経験とCCCグループが蓄積してきた様々なノウハウがあります。Riiiver、そしてEco-Drive Riiiverについての施策は、やっとスタートラインに立てた状態です。今後、どのようなコンテンツを提供していくか、我々もユーザーとのコミュニケーションを通じて模索していきますが、CCCマーケティングとは、一緒に魅力的なコンテンツを提供する仲間として、しっかり協力体制を築いて、今回のような大きな成果を得られる面白い企画に取り組んでいきたいと考えています」

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