「服装自由って困る!」共創型コミュニティ戦略で目指す“就活ウェア革命”

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青山商事株式会社

(左)リブランディング推進室長・平松葉月 氏、(右)総合企画部 副部長 兼 推進室室長補佐・岡本政和 氏

かつては、就活といえば暗黙の了解で「リクルートスーツ」でした。現在は、採用にあたる企業側も価値観の多様化に配慮し「就活時の服装は自由」と明記することが増えています。

ところが、その結果、企業の思惑とは逆に「本当に自由なのか?」「スーツ以外の何を着たらいいのか」と困惑する就活生が増えていると言います。

そこで、「洋服の青山」で知られ、ビジネスウェアを展開する青山商事株式会社(以下、青山商事)の共創コミュニティ『シン・シゴト服ラボ』*1にCCCマーケティング(以下、CCCMK)も協力パートナーとして参画。就活時の服装に関する就活生と企業双方の課題解決に向けて共に取り組んでいます。

その詳細について、同社のリブランディング推進室長を務める平松葉月氏、同社の総合企画部 副部長 兼 リブランディング推進室室長補佐の岡本政和氏、そしてCCCMKで事業開発ユニット マネージャー兼 学校総選挙プロジェクト プロジェクトリーダーを務める石井大樹が語り合いました。
効果 画一的な「黒のリクルートスーツ」しか選べない就職活動を、就活生自身が考え、選ぶことができる「リクルートウエア」へと「きがえる」社会になることを目指す。
施策 ビジネスパーソンになる直前の就活生の悩みを1つでも減らすことを目指したプロジェクト「#きがえよう就活」を企画・運営。賛同企業を増やしていくことで「服装自由」という、就活生と企業間に生じた認識のギャップを可視化する。
目的 ビジネスパーソンや、社会が抱える課題を共創コミュニティを通じて解決することにより、青山商事がスーツ販売の会社としてだけではなく「ビジネスのパフォーマンスを上げる会社」として認識されること。

課題の本質は『自由な服装』ではない

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写真:青山商事 平松氏

石井(CCCMK)「『#きがえよう就活 』も、ついにサイトが公開になりましたね。これから活動がさらに本格化していくこのタイミングで、改めてこのプロジェクトについて振り返ってみたいと思います。『よくある、就活の服の選び方か?』と思われると残念ですから(笑)」

平松(青山商事)「そうですね。まず、そもそも『#きがえよう就活』は、共創コミュニティ支援サービスのNewsPicks Creationsさんと立ち上げた共創コミュニティ『シン・シゴト服ラボ 』の中で進めているプロジェクトの第3弾になります。

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シン・シゴト服ラボ TOPページ|https://shinshigotofukulab.jp/about
『シン・シゴト服ラボ』を立ち上げたきっかけは、青山商事のリブランディングを進める中で、これまで以上にお客様に支持される青山の実現を目指し、社内だけでなく社外に開いた共創コミュニティとの取り組みを通じて、お客様との向き合い方を改めて見つめ直し、より良い商品・サービスの提供につなげていくということでした。
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#きがえよう就活 TOPページ|https://www.y-aoyama.jp/kigaeyou-shukatsu/
『シン・シゴト服ラボ』の取り組み第1弾として『洋服の青山』の店舗併設のシェアオフィスを活用した新しいコンセプトの個室をプロデュース、第2弾ではリモートワーカーに向けたビジネスウェアの開発、そして第3弾となるのが、今回の『#きがえよう就活』です。

『シン・シゴト服ラボ』のメンバーには就活生もいます。そこで話題になるのが、最近、『服装自由』という企業が増えていて、逆に何を着ていったらいいのかわからないということでした」
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写真:青山商事 岡本氏
岡本(青山商事)「私は2年前まで店舗で店長を務めていました。以前は、就活用の服を買いに来たお客さまには、いわゆるリクルートスーツをおすすめしていたのですが、コロナ禍の少し前くらいから『服装は自由と言われたのですが、何を着れば正解なのでしょうか』というご相談が増えて、私自身も答えるのにとても悩みました

就活生の方がどのような業種を受けようとしているのか明確なわけでもないですし、企業によって『服装自由』の捉え方は違うはずです。これではどんな服を選べばいいのか、わかりませんよね。でも、そういう悩みを解決することができたら、就活生がビジネスパーソンとしていいスタートを切れるだろうし、結果、社会もよくなっていくんじゃないか。そんな思いで取り組みを始めました」

平松(青山商事)「就活生の悩みを解決するためには、どのようなアクションをすればいいのか。企業が考える『自由な服装』とは何か、どこまで許容できるのかを可視化できないかということをコミュニティメンバーと一緒に散々考えていたのですが、ふと、別件でお付き合いがあるCCCMKの方にそのお話をしたら、『ウチでもそういうプロジェクトがありますよ』と」

岡本(青山商事)「すごいタイミングですよね。ぴったりすぎる(笑)」
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写真:CCCMK 石井

石井(CCCMK)「本当に驚きました。我々も若い世代と一緒に『学校総選挙 』*2というプロジェクトを進めていますが、その中で就活生から『企業から服装自由でお越しくださいと言われたけど、何を着たらいいか分からない』という話を数多く聞くようになったんです。

それで、これは解決するべき課題だなと感じていて。では一緒に取り組むパートナーは誰かと考えたときに、ずっとビジネスウェアに向き合ってきたリーディングカンパニーの『洋服の青山』さんしかいないと思ったんです。それでお話をさせてもらったら、まったく同じことを考えていたという……!」 

岡本(青山商事)「よく『就活の服装の自由を求めようというプロジェクトですか?』と聞かれますが、そういうことではない、という認識まで一緒でしたからね」

石井(CCCMK)「課題の本質は『自由な服装』ではないんですよね。別に黒のリクルートスーツでもいいと思うんですよ。問題なのは『服装自由』という企業の考えが、きちんと伝わっていなくて、コミュニケーションエラーが起きているということなんです。企業と学生のどちらが悪いということではなく、このエラーを改善できれば両方ハッピーになれるんじゃないでしょうか」

岡本(青山商事)「企業の採用担当者の方々と話をしても、『スーツが悪い』というようには考えていないんですよね。『服装自由』という風潮でもあるし、そのほうが学生にとっていいだろうと、いわばよかれと思ってやっていることが、逆に就活生を悩ませている。そこで企業と就活生、両方の悩みを解決したいと思っていました」

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共創することで、若い世代の声を適切に理解できた

平松(青山商事)「『#きがえよう就活』では、CCCMKさんには、私たちが足りていない部分をいつもフォローしていただいて、ありがたく思っています。就活生を含む若い世代に対して、どのようなアウトプットが効果的なのか、どういう表現がNGなのかという点について豊富な知見をお持ちなので、コミュニケーションがとてもスムーズでした」

岡本(青山商事)「若い世代の声を適切に理解できているというのは、CCCMKさんだからこそだと思います。SNSの運用についてアドバイスをいただいたり、アウトプットとしてこういう座談会をやるといいんじゃないかという提案をいただいたりと、『#きがえよう就活』は、CCCMKさんを含めた共創という形で進められていることに、大きな意義があると感じています」

石井(CCCMK)「ありがとうございます。10代、20代の若者と実際の接点を持ち、インサイトを把握して、それをどのような形で企画にし解決策へと導いていくのかという点は、まさに我々が得意とする領域なので『#きがえよう就活』でも、その部分でしっかり貢献できているようで安心しました」
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学校総選挙プロジェクト TOPページ|https://youthvote.tsite.jp/
岡本(青山商事)「あと、『学校総選挙』さんで就活生にアンケートをしていただいた点も、とても役立ちました。我々のアンケートデータでも『就活生が服装に困っている』という結果が出ていましたが、『学校総選挙』さん側の結果でも、やはり服装に関するお困りごとが一番集まりました。このようにしっかりとしたエビデンスが取れるところもありがたいです」

石井(CCCMK)「これからの『#きがえよう就活』は、より多くの賛同企業を集めていく必要があると思いますが、そのときに声がけをするメンバーは、多ければ多いほどいいですよね。そこで効いてくるのが、これが『共創型プロジェクト』ということです。
共創型の『#きがえよう就活』では、我々も主体的な運営メンバーです。クライアントと広告主などの、どちらかに決定権があるという関係性ではないので、その分、賛同企業にも本気度を感じてもらえるのではないでしょうか。どんどん積極的に声をかけていきたいと思っています」

平松(青山商事)「『共創型』という言葉がありましたが、『#きがえよう就活』のメンバーは、みなさん『この社会課題を解決する』という意識で主体的に取り組んでいて、コネクションがない企業に対しても、いろいろな方法でアプローチを進めてくれていて、とても頼もしいです」

一緒に就活のトランスフォーメーションをしていきたい

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平松(青山商事)「青山の認知率は、全世代にわたって約80%以上と非常に高いのですが、一方、想起率が低い。多くのビジネスパーソンから『自分とは関係のないお店』と思われてしまっているんですよね。そこを改善しようと始めたのが『シン・シゴト服ラボ』であり、今回の『#きがえよう就活』ですが、『きがえ』を漢字ではなくあえて平仮名にしています」

石井(CCCMK)「実は、深いんですよね」

平松(青山商事)「そう、深いんです。服装も含めて、就活には『暗黙の了解』が多くあります。まだビジネスの現場に立っていない就活生は、そこで悩むんですよね。だから、そのような就活の悩みをひとつずつクリアにしていくことで、就活生もラクになるし、一方、採用する企業側も、素に近い就活生を見ることができれば、より自社にフィットする学生を採用できるようになると思っています。
『#きがえよう就活』が目指すのは、いわば就活のトランスフォーメーションです」

石井(CCCMK)「就活の服装に関してだけではありませんが、SDGsなどを意識してか、社会的なイシューに対して、いろいろとメッセージを発信する企業は多くあります。でも『#きがえよう就活』が、そのようなものと一線を画しているのは、メッセージを出すだけではなく、具体的な解決のためにアクションをしていることです。
これからは、課題解決のためのアクションを進める企業が増えてくると思いますし、そうあるべきですが『#きがえよう就活』はその先行例としてぜひ成功させたいと思って参加しています」
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岡本(青山商事)「『#きがえよう就活』の思いに共感いただくことは多いのですが、実際にアクションを起こすのは、とてもエネルギーのいることです。ですが、多くの就活生にご来店いただいている自分たちだからこそ、できることがあると思っています。その意味でも、CCCMKさんと思いはまったく同じです」

石井(CCCMK)「大切なのは『#きがえよう就活』を続けていくことだと思います。ほかの企業を巻き込んでいくことはもちろん重要ですが、それと同じくらいに、青山さんの社内で存在感を示していくことも大切なことだと思います。
このような取り組みは、すぐに数字として結果が見えるわけではないので、なかなか難しい面もあるかもしれませんが、その視点からもサポートさせていただきたいと考えています」

平松(青山商事)「ありがとうございます。頼りにしています。就活生がビジネスパーソンとして活躍するようになって、ビジネスウェアや周囲の環境を考えたときに『#きがえよう就活』のことを思い出して『青山ならなんとかしてくれるかもしれない』と思ってくれる。このプロジェクトを通じて、そんな状況をつくるのが理想です。
そのためにも、外に開かれたコミュニティとして『#きがえよう就活』に取り組んでいく必要があります。CCCMKさんには、メンバーの一員として、これからもいろいろな知見を発揮していただきながら、一緒に進めていきたいです」

#きがえよう就活サイトはこちら 

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*1『シン・シゴト服ラボ』…青山商事が進める、次のビジネスウェアのよりよいあり方をビジネスパーソンや学生と共に考え社会実装するためのプロジェクト。スーツを『ビジネスウェア1.0』、オフィスカジュアルを『ビジネスウェア2.0』として、働き方、価値観が多様化した現代にふさわしいビジネスファッションを『ビジネスウェア3.0』として、そのあり方を定義しようと企図している。

*2『学校総選挙』…オンラインを含めると年間で10万人から20万人の、10代~20代の若年層が参加する、CCCMKが展開するプロジェクト。この世代にとっての社会イシューを発信して、さらに変化を起こしていくことを目的にしている。
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