Z世代の75%が自覚!「バズ」ではなく「ヲタ活」「推し活」に刮目せよ

「マーケティングのヒント」は、さまざまな専門家や記者のみなさまの見解をご紹介するコラムです。

アイドル、声優、ゲームキャラ、YouTuber…
「お気に入り」は多くの人にあると思いますが、昨今、特定の人やモノの「オタク(ヲタク)」や、お気に入りを「推す(=他者に勧めることができるほどに好きであること)」ための消費が盛り上がっています。

Z世代と言えば「必要なものにはお金をかけるがそれ以外はシンプル」というイメージがありますが、まさにその「必要なもの」として、「ヲタ活」「推し活」と呼ばれる活動があります。

好きなモノや「推し」のためには多少の出費は厭わない、という新しい消費行動の形とも言えます。

「ヲタ活」「推し活」の実態についてご紹介したいと思います。

【目次】
▼Z世代の75%が「ヲタ」を自覚
▼「ヲタ活」「推し活」にいくら使う?
▼「ヲタ活」「推し活」は若者だけではない

▼幅広い「ヲタ活」「推し活」で勝機を
▼CCCマーケティングからのお知らせ


 

Z世代の75%が「ヲタ」を自覚

「オタクの聖地」と言えば秋葉原を真っ先に思い浮かべる人は多いかもしれません。今でも秋葉原には多くのアニメファンやゲームファン、外国人観光客が多く押し寄せる場所です。また、男性が多いという印象を持つ方も多いのではないでしょうか。

しかし、興味深いアンケート結果があります。

「SHIBUYA109エンタテインメント」が15歳〜24歳の女性420人を対象に「コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査」として実施したアンケート調査では、「自分は『○○ヲタ』(=何かに対してオタクである)」という人が75%にのぼっているのです(図1)。

なお、「SHIBUYA109」と言えば、若い女性が集まる、渋谷を象徴するアパレルビルです。

図1 自分が「●●ヲタ」と言えるものがあるか
引用)「コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査」SHIBUYA109 lab.

コロナ禍におけるZ世代女性の「ヲタ活」とはこのようなものです(図2)。
図2 コロナ禍でのZ世代女性の「ヲタ活」
引用)「コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査」SHIBUYA109 lab.

秋葉原を彷彿とさせるファンの活動がそこにはあるのです。

また先日、都内のある駅でアニメキャラクターのポスターが掲示されている目の前に集まり、ポスターと一緒に写真を撮影するために若者が殺到している様子を目にしました。
ずいぶん通路が混んでいるな、と思ったら、その掲示が理由だったのです。
「推し活」は随所に見られるようになりつつあります。


 

「ヲタ活」「推し活」にいくら使う?

じつにZ世代の9割に「推し」がいるという結果もあります*1が、「推し活」に使う1年間の金額は以下のようになっています(図3)。

図3 Z 世代が1年で「推し活」に使う金額
引用)「マイナビ×Z総研が、Z世代のこれからの働き方や生き方を考える『はたらきかたラボ』を発足!」株式会社マイナビ

それぞれの懐事情に応じた「推し活」を楽しんでいるといったところでしょうか。
しかし中には、年間で数十万円を使うという人もいます。


 

「ヲタ活」「推し活」は若者だけではない

実は、「ヲタ活」「推し活」にハマっているのは若い人だけではありません。

筆者の友人は先日60代になりましたが、韓国のアイドルグループ「BTS」の大ファンであり、そのために韓国語の勉強をしています。同時に、歌手・俳優の沢田研二さんを追って全国のコンサートを訪れています。
昔で言う「追っかけ」です。

また、NHKニュースにも、舞台俳優を「推す」50代の女性へのインタビューが掲載されています。

「自分の好きなものってやっぱり幸せになれるし、気持ちが豊かになれるのって、好きなことやっているときじゃないですか。だから、たぶんそれを忘れていたのを『あ、そっか、ここに来ればいいんだ』みたいな感覚を取り戻せたというのが大きかったかもしれないです。引っ張り上げてもらった、みたいな感じですかね」
(中略)
ことし60歳になりますが「自分の稼いだお金で推し活をいつまでも続けたいから、ずっと健康で働き続ける」と力強く話しています。

引用)「”推し”こそ我が人生」NHK NEWSWEB

ミドル・シニア層は、若年層よりも「推し活」に使える金額が多いことは想像に難くありません。

また、世代を超えた「推し活」として筆者がよく目にするのは球団の応援です。
ルーキーや移籍選手のレプリカユニフォームやタオルがすぐさま作られると、熱心なファンが早速購入するのは珍しいことではありません。タイミングを逸しないグッズ発売は、よくできた戦略だと筆者は考えます。


 

幅広い「ヲタ活」「推し活」で勝機を

ライブや演劇を見に行く、グッズを買う、好きなモノについてSNSを使って拡散する…。

ミドル・シニア層のように多額の直接消費に至らなくても、若者には若者が持つ「デジタルネイティブという特徴」「SNSの力」があります。
特に、今やSNSは若い人だけのものではなくなっており、世代を超えた「推し活」に一役買っていると考えられます。
また、不特定多数への拡散力を持っているのも魅力です。

株式会社博報堂の谷口由喜士氏はこのように述べています。

今まで、アイドルは、ルックスやパフォーマンスを磨き、それらを提供してきたところが大きい。しかし、最近では、その点に追加して、アイドルの素の一面や、そこから見えてくるメンバー同士のリアルな関係性(時には他グループメンバーとの関係性も)など、ファンが見出す”発見感”も重要な魅力となっている。この「自分だけの発見」は、他の人が見ることでその人を沼にハメる、もしくはハマるのを加速する効果もあると考えられ、沼にハマる→推し動画をシェア→他の人を沼にハメる、というサイクルが、ここ最近の推し活の加速の要因のひとつになっているのではないかと考えられる。

引用)「アイドルが提供する新しい価値は”発見感”? 推し活における新たなコンテンツ消費スタイルは『トリミング&エディット』」博報堂

バズばかりを追うのではなく、「コアファンの拡散力に期待する」。

それが「ヲタ活」「推し活」時代の新たなマーケティングなのです。

 

 

 

 


清水 沙矢香
福岡県出身。2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として各種市場・産業など幅広く取材、その後フリー。取材経験や統計分析を元に多数メディアに寄稿。

 

CCCマーケティングからのお知らせ

CCCマーケティングは、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者調査に特化したマーケティング研究機関『SHIBUYA109 lab.』と共に、「各エリアに生息する女子大学生の生態比較調査(東京版・大阪版)」や、「若者の間に広がるヲタ活の実態調査」という3つの共同調査を実施いたしました。
下記、お取組み事例では、調査結果の一部を公開しておりますので、ぜひご覧ください!

※CCCマーケティングでは、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

参考)
*1「マイナビ×Z総研が、Z世代のこれからの働き方や生き方を考える『はたらきかたラボ』を発足!」株式会社マイナビ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001598.000002955.html

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
本記事を引用・転載をご希望の方は、事前にお問い合わせよりご連絡ください。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++