信長、マーケティングで天下獲り|~第1回「信長、購買行動モデルを学ぶ」~

登場人物

織田信長

信長

 

  

織田信長
言わずとしれた、戦国時代の天下人。
どういうわけか現代にタイプスリップを果たし、現代でマーケティングを学ぶことに。 

英義

 

  

橋場英義(ハシバヒデヨシ)
CCCマーケティング株式会社に務めるプロのマーケティングコンサルタント。
かの“羽柴秀吉”とは、なんの関係もないらしい。

 

〜あらすじ〜

時は天正10年6月2日。織田信長は本能寺で燃え盛る炎に包まれていた。
世に言う、本能寺の変である。
織田信長

信長

……よもや、光秀に討たれることになるとはのう

 

 

 

 

 

信長は迫りくる真紅の炎を前に、自害止むなしと覚悟した。
織田信長

信長

 

うおおおおおおーーっ!

 

その刹那、信長の目の前に眩い光の珠が出現。信長を包み込んでいくではないか!
織田信長

信長

な、なんじゃこれは!?

信長は突如現れた光に視界を奪われ、そのまま気を失った。
気がつくとそこは、巨大ビルが立ち並ぶ日本の首都・東京。
何の因果か、織田信長は現代へタイムスリップしてしまったのだ!
織田信長

信長

ここは、いずこじゃ…?

 

突如見知らぬ世界へ放り出されたにもかかわらず、信長は驚くべき速さで現代社会に適応していった。
そしてあと一歩のところで失敗に終わった“天下獲り”を、この現代でついに成し遂げるためには、“商い”こそが最重要であると目をつけたのだった。
織田信長

信長

この時代の“商い”で勝つためには、いまの“商いのルール”を知らねばなるまい。


そう考えた信長は、餅は餅屋ということで、
マーケティングのプロであるCCCマーケティング株式会社の門を叩いたのであった――。

 

信長、ヒデヨシと出会う

英義

はじめまして。

CCCマーケティング株式会社の橋場英義と申します。

 

英義

信長さん、今日はどのようなご用件でしょうか?

 

 

織田信長

信長

うむ。
わしは今一度天下を獲るために商いを始めるんじゃが、現代の商いのルールとやらを知りたい。

英義

なるほど。
つまり“マーケティング”を知りたいということですね。

織田信長

信長

まーけてぃんぐ…?

英義

そうです。
マーケティングというのは、モノを売るための企業活動の全般を指します。

英義

それを学べば、日本だけではなく、世界中で売ることも可能ですよ。

ただし戦略と戦術をしっかり立てることが不可欠ですが。

織田信長

信長

なるほど!気に入った!
お願いだ、サル。
わしにまーけてぃんぐとやらを教えてくれ!!

英義

ええと……、教えるのは構いませんが、……サル、というのは?

織田信長

信長

いやなに、わしの家臣に、おぬしによく似たやつがいたのじゃ。

そいつをサルと呼んでおったのでな、これからはおぬしのこともサルと呼ぶことにするぞ。

英義

はあ

 

購買行動モデルとは?

英義

では今回はまず、マーケティングの基本中の基本、『購買行動モデルについて、お話しますね。

英義

これは、消費者が商品を認知してから購入にいたるまで、どのような段階を踏んでいくのかを分析し、それぞれの段階でどのような施策を打つかを決定するためのものです。

織田信長

信長

サルよ、おぬしは“うつけ”か?『段階』とはなんじゃ。 

織田信長

信長

そんな面倒な事をせずとも、目の前にいる客に『これを買え!』『お得だぞ!』と言えばいいだけではないか?

英義

対面で商売をしていた、“楽市楽座”の時代とは違いますからねえ。

自分の目の前に実際に買ってくれるお客さんがいるとは限りません。

英義

そもそもこのモデルは、想定していたように販売が進まないときなどに、その原因を探るためにも有効なんです。

原因がちゃんとわからないと、対策の講じようがありませんからね。

織田信長

信長

ふむ。どの段階に原因があるのかさえわかれば、すぐに体制を立て直し、勝ち戦に導くことができるということか。

英義

この購買行動モデルは、消費者の情報収集の手段が、新聞・テレビといったマス媒体からインターネットに移行するのにつれて、少しずつ変化しています。

英義

今までに10を超えるモデルが提唱されていますが、ここでは『AIDMA』『AISAS』『AISCEAS』『DECAX』といった代表的なものを説明していきますね。

織田信長

信長

あいどま?あいさす?あいしーず??
サル、いったい何の呪文じゃ?

英義

確かに、ちょっと意味不明ですよね。まず『AIDMA』(アイドマ)は、テレビや新聞といったマス媒体での広告展開が前提となっている考えです。

 

英義

これは、
AAttention(認知)=商品のことを知る
IInterest(興味)=商品に興味を抱く
DDesire(欲求)=商品をほしいと思う
MMemory(記憶)=商品を記憶する
AAction(行動)=商品を購入する
と、認知から購入までを5段階にわけて、それぞれの頭文字をとったものです。

 

 

織田信長

信長

南蛮風の文字が多いな……。わしは南蛮好きだからかまわんが。

英義

まあ、アメリカで提唱されたものですからね。

で、それぞれの段階に合わせたマーケティグ施策を打って、消費者を望ましい方向に導こうということです。

英義

あるいは、想定通りに進んでいない場合に、どの段階に問題があるのか分析して対応を検討します。

織田信長

信長

たとえば、商品のことは皆よく知っているが、どうも興味を持たれていない、つまり『I』の段階に問題があるということがわかったら、興味を持たせる方策を練るということか?

英義

そのとおりです!
AIDMAは、実は100年くらい前に提唱されたモデルなんですが、購買行動をとらえるための枠組みとして、いまでも有効です。

その後に発表されたモデルも、AIDMAの考え方をベースにしていますからね。

英義

それに加え、AIDMAが前提としているテレビや新聞の影響力は、現在も十分あります。

そういった意味でも、まずAIDMAを理解しておくといいでしょう。

織田信長

信長

なるほど。

わしも長篠の戦いでは鉄砲で武田勝頼の兵を倒してやったが、兵法の基本はあくまでも刀と槍じゃ。 

織田信長

信長

つまり“あいどま”というのは、おおよそ、わしらにとっての“刀と槍”のようなものじゃな!

 

 

インターネット時代の購買行動モデル『AISAS』『AISCEAS』

英義

では次、『AISAS』(アイサス)です。

これはAIDMAがマス媒体での広告を想定していたのに対して、インターネットでの情報収集と共有が一般的になったのを受けて、提唱されたモデルです。

英義

『AIDMA』とは、
S
Search(検索)
AAction(行動)
SShare(共有)
となるところが違います。

英義

消費者が商品に興味を持ったら情報を調べ、気に入ったらそのまま購入。

そして商品に対する評価をシェア、つまり、みんなに『この商品はいいよ!』『ここは問題だと思う!』みたいなことを教えてあげるという流れですね。

 

織田信長

信長

しぇあ?なぜそんなことをするんじゃ?
そんな手間暇かけて、何の得がある?

英義

いいモノ、便利なモノを教えてあげて、みんなとその思いを共感したいということです。

自分が書いた感想に『とても参考になりました!』とかって返事が来たら、やっぱりうれしいじゃないですか。

英義

実際、シェアされる情報が商品の売れ行きに影響を与えることは少なくありません。

言い方は悪いかもしれませんが、要は世間の評判を利用するということだと思ってください。

英義

そして次の『AISCEAS』(アイシーズ)は、『AISAS』のSearchとActionの間に、
CComparison(比較)
EExamination(検討)
という過程が入ったモデルです。

英義

当然、AISASでも、消費者が『比較・検討』をすることは前提になっていますが、より詳細な分析をするために『比較・検討』が切り出されたと考えればいいかなと思います。

この『比較・検討』の過程で、消費者に選ばれるような商品であることが重要です。

織田信長

信長

わしも同盟相手を選ぶときには、かなり慎重に比べたな。

織田信長

信長

こやつは戦には強いが知略に優れていないとか、あやつは謀には長けているが信用しきれないとか、悩み抜いたものよ……。
まったく合点がいく話だ。

 

コンテンツマーケティング時代の購買行動モデル『DECAX』 

織田信長

信長

して、最後の、で、でか、できゃ…

英義

『DECAX』(デキャックス)ですね。これは、
DDiscovery(発見)
EEngage(関係)
CCheck(確認)
AAction(購入)
XEXperience(体験と共有)
という単語を並べたものです。

英義

AIDMAやAISAS、AISCEASが『商品の認知』が出発点になっていたのと違い、DECAXは『発見』、つまり『自分たちを見つけてもらう』ことから始まるという定義なんです。
これはコンテンツマーケティングに即したモデルですね。

織田信長

信長

こんてんつ?またわからん言葉が出てきたな。

英義

現代はあらゆる情報にあふれているので、企業がこれまでのようにいわゆる「広告」を使って一方的な売り込みをしても、なかなか消費者に届かないんです。

英義

そこで、消費者にとって有益な情報(=コンテンツ)を企業側が発信して、消費者自身にそれを「発見」してもらおうという考え方です。 

織田信長

信長

ふむ 

英義

“発見”の次には、その情報を知り合いにすすめてもらったりして、消費者と企業のつながりを強化します。これが“関係”です。その際消費者は、提供されている情報は本当なのか、また自分にとって役立つものなのかを“確認”。そして問題がなければ商品を“購入”して、使ってみた“体験を共有”する、という流れですね。

英義

まどろっこしく感じられるかもしれませんが、多少遠回りになったとしても、消費者が興味をもってくれそうな情報を提供していかないと、知ってもらうことすら難しいのが現実なんです。

英義

企業が、消費者に何かを与えるという立場から、逆に消費者に選んでもらう立場になったということでしょうか。

織田信長

信長

待て。それはつまり…わしが家臣を選ぶのではなく、家臣がわしを選ぶようになったということか?

織田信長

信長

……そうか。時代は変わったのう。
わしがもう少し早うそれに気がついて家臣への態度を変えていれば、もしかしたら本能寺のこともなく、天下布武が実現していたかもしれんな……

 

英義

大丈夫ですよ!いまの織田さんなら、マーケティングをちゃんと勉強すれば、きっと商いで天下をとれます。
”天下布商”です!頑張りましょう!

織田信長

信長

うむ。サルよ、次回も頼むぞ 。

 

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