お金がかかりお世話が大変、それでも幸せなペットとの暮らし

 動物のかわいらしい姿やしぐさにはつい心を奪われてしまうもの。最近では上野動物園の双子パンダが日程限定で公開され、話題になりました。テレビや動画サイト、SNSなどで動物を見かけると、つい見入ってしまう方も多いのではないでしょうか。

一方で、動物を飼育するとなると毎日動物と過ごす喜びとともにお世話が必要になり、動物に対して映像や画像で見ていた時とは違う印象を持つこともあるでしょう。

ペットの飼育について、飼育前の期待と飼育後の思いにギャップはあるのでしょうか。CCCマーケティング総研では、ペットと暮らしている方は動物を飼育することについてどのように思っているのか、また、今後ペットを迎えたいと考えている方はどのような期待感があるのかアンケートを行いました。

なお、アンケートは2022年1月に実施し、現在犬、猫、観賞魚を飼育している方1,030人と、今後3年以内に犬、猫、観賞魚を飼いたいと思っている方(飼育意向者)248人から回答をいただきました。

 

犬・猫はこの1年で約1割の方が飼育を開始、2割以上が10年以上飼育

 最初に、飼育状況を見ていきましょう(図1)。ここでは犬、猫ごとの飼育数を尋ねており、犬も猫も飼育している場合はそれぞれで回答しています。結果を見ると、犬の場合は8割以上の方が「1匹」、猫の場合は約6割が「1匹」と大半は1匹を飼育しているということがわかります。ただし、猫は2匹以上飼育の方が約4割となっており、犬よりも複数を同時に飼育している方が多く見られます。

 現在飼っているペットの飼育年数では、犬、猫ともに「1年超~5年」までの飼育期間の方が最も多くなっています。直近の「~1年」の方は犬で10.5%、猫で13.7%でした。また、10年を超える飼育を行っている方は、犬で24.4%、猫で22.4%と犬も猫も2割を超えています。

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コミュニケーション効果は期待以上

 次に、飼育者の方に「ペットを飼ってよかったこと」、今後ペットを飼いたいと思っている方(飼育意向者)に「ペットを飼いたいと思う理由・ペットに期待すること」を尋ねました。図2では回答を比較しています。

 飼育者と飼育意向者ともにトップ3は「癒しを与えてくれる」「自分が笑顔になれる」「元気を与えてくれる」で、過半数の方が回答しています。この3点はいずれもペットの存在が自分のココロにプラスに作用する内容ですが、多くの方が期待通りと考えているようです。他の項目を比較しても、飼育意向者のスコアから飼育者のスコアが大きく落ち込むものはなく、概ね飼育前の期待から外れることはなさそうです。

飼育意向者より飼育者の回答が高かった項目としては「家族との会話が増える」「家族が仲良くなれる」が挙げられます。ペットの飼育をきっかけに家族とのコミュニケーションが増えることまでは想定していなかった方も多いのでしょう。「ペットを通じて知り合いが増える」も2割弱の回答がみられます。散歩やペットを話題とした会話などから、人付き合いが生まれ深まっていく。ペットは家族や人をつなぐきっかけとなる存在であるようです。

ペットが体調を崩した!モノが壊れる!大変なこともたくさん

 もちろん、ペットとの暮らしはよいことばかりではではないでしょう。次は「ペットを飼って大変だったこと」について見ていきます(図3)。なお、ここではペットごとの特徴を理解しやすくするため、「犬のみ飼育」「猫のみ飼育」「熱帯魚のみ飼育」の方に限定して集計を行っています。

 「大変だったこと」として高いスコアとなったものの1つが「長期間/長時間出かけられないこと」です。ペットホテルやペットシッターといった、飼育者不在時にペットを預けられるサービスは存在しますが、これらを利用せずに長期の旅行などを控える方も多くいると推測されます。また、「お金がかかること」も多くの方が挙げています。ペットの食費の他、トリミング代、気温・水温調節のための電気代、医療費など飼育を始めて実際の金額に気づくこともありそうです。犬・猫飼育者では「ペットが体調を崩した時の世話」の回答も多く見られます。急に病院に連れて行かなくてはならない、目を離せないなど、ペットファーストの対応が求められることもあるでしょう。

 ペットごとに見ていくと、犬の飼育者では「散歩に定期的に行くこと(30.7%)」「しつけが難しかったこと(28.7%)」「鳴き声・騒音が気になること(26.3%)」、猫の飼育者では「家のものを壊される・傷むこと(39.8%)」「睡眠中に起こされること(27.0%)」がそれぞれの特徴として表れています。観賞魚の飼育者では「特にない」が36.2%と最も多くなっています。ペットごとに違いの見られる結果となりました。
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 ペットは自分の支えとなってくれたり、人と人を結び付けてくれたりと、期待通り、あるいはそれ以上の幸せを運んでくれる存在なのかもしれません。そして、長く一緒に生活していく相手でもあります。現実的な話として、ペットを迎える前には「どのくらいお金がかかるのか」「長期間出かけるときはどうするのか」「体調を崩した時にはどうするのか」といったことは事前に検討が必要でしょう。今回の調査では「大変だったこと」を飼育者の方に回答していただきましたが、この結果が今後飼育を検討している方の参考になり、ペットとともに歩む幸せな生活のお手伝いになれば幸いです。

 

 

【調査設計】
調査地域 :全国
調査対象者:20歳~69歳の男女 ※犬、猫、観賞魚の飼育者と、飼育意向者を対象とした。
 飼育者:現在犬、猫、観賞魚のいずれかを飼育している方
 飼育意向者:現在何も飼育しておらず、3年以内に犬、猫、観賞魚のいずれかを飼育したいと考えている方
サンプル数:1,278サンプル(飼育者:1,030サンプル、飼育意向者:248サンプル)
調査期間 :2022年01月21日(金)~2022年01月24日(月)
本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。

【調査内容】
質問数:全9問
質問項目:
Q.現在飼っているペットの数をお選びください(犬、猫)。
Q.現在飼っているペットの飼育期間をお選びください。
Q.あなたがペットを飼いたいと思う/ペットに期待するのはどのようなことですか。(複数回答)
Q.あなたが直近2年以内に飼い始めたのは、新型コロナウイルス感染症の流行が影響していますか。
Q.(新型コロナウイルス感染症の流行が影響した方)具体的にどのようなことがきっかけで飼い始めましたか。(複数回答)
Q.あなたがペットを飼って「よかった」と感じるのはどのようなことですか。(複数回答)
Q.あなたがペットを飼ってみて/飼う準備として「大変だった」と感じるのはどのようなことですか(複数回答)
Q.ペットの飼育にかかるお金(ひと月あたり)として、最も近いものをお選びください。
Q.あなたがペットの飼育にかける時間(1日あたり)として、最も近いものをお選びください。

【集計内容】
・単純集計
・飼育ペット別クロス集計
【注意事項】
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。

【商品名/番号】
品名:ペットに関する調査(2022年1月)
番号:21-018-002
【価格】集計一式:12,000円(税別)

 


【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:杉浦・斎藤
[email protected]

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