価格が上昇すると食べる頻度が減る?

近年「魚」を取り巻く環境は大きく変わってきており、海洋環境の変動等さまざまな理由から日本の毎年の漁獲量も減ってきています。「今年は〇〇が不漁」という報道も耳にするようになり、これまでと変わってきていることを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして獲れる魚の量が減ると価格も変化します。漁獲量の変化は生活者の皆さまの食生活にも影響が出るのでしょうか。
 これらを明らかにするためCCCマーケティング総研では、魚介類に焦点を当て、生活者の皆さまの食生活や意識についてアンケートを行いました。アンケートは2022年4月26日(火)~5月9日(月)にかけ、全国の16~79歳男女のT会員の皆さまを対象として実施し、2,670人の方にご回答いただきましたので集計結果をご紹介します。

魚を食べるのは「週に2〜3日」が約4割。鮮魚や魚メニューの価格は約3割が認知
 最初に魚(魚介類)を食べる頻度を見ていきましょう(図1)。全体では、週に1日以上魚を食べる人の割合は81.0%で、週に2~3日食べる方が41.4%と最も多くなっています。年代別では、週に1日以上食べる方は男女とも50代以上で8割を超えており、40代以下では7割台となっています。いずれの年代も「週に2~3日」が最も多くなっていますが、週4日以上食べる高頻度の層に注目してみると、70代を除き女性よりも男性の方が多いようです。
  魚 鮮魚 魚介類 食べる頻度 さかな 

 次に、鮮魚や外食メニューの価格の認知を尋ねました(図2)。全体では、鮮魚、外食メニューの価格について「だいたいわかる」と回答したのは全体ではいずれも3割弱でした。性年代別に見ていくと鮮魚の価格の認知は女性で年代ごとの差が大きく、16〜19歳と20代で1割前後、30〜50代で3割前後、60代以降では5割前後の方が「だいたいわかる」と回答しています。「外食メニューの価格」の認知はいずれの性年代でも2~3割となりました。若年層では鮮魚の価格より外食メニューの価格がわかるという方が多くなっています。
 価格については、普段買い物をしたり外食店に訪れている方の認識率は高いと考えられます。

鮮魚 外食メニュー 魚介 寿司 刺身

価格が高くなっても食べたい魚はマグロ、サケ。メニューは寿司、刺身
 さて、魚が獲れないと価格に変化が表れます。鮮魚や外食メニューの価格が今より上昇すると生活者は食生活においてどのような判断をするのでしょうか。鮮魚、外食・惣菜メニュー、水産加工品について価格が現在より高くなったとしても食べたいものと、安ければ買う・注文する(高ければ買わない・注文しない)ものを尋ねました。
 図3のグラフを見ると、「安ければ買う・注文する」の回答が「高くなっても食べたい」を上回るものが多く、価格については生活者の多くがシビアに見ていることがわかりました。
 その中で「高くなっても食べたい」との回答が大きく上回ったのは「マグロ」「サケ」「刺身」「寿司」です。みんなが大好きな魚・メニューと言ってよいでしょう。特に「刺身」「寿司」に関しては「高くなっても食べたい」と回答する方が3割以上と突出しており、人気の高さがうかがえます。
寿司 マグロ サケ ブリ うなぎ
水産資源減少への意識は性別・年代により差が見られる
 最後に、価格上昇の原因の1つでもある「水産資源の減少」に対する意識を見ていきましょう(図4)。水産資源の減少について問題意識を持っているかどうかを、「あてはまる」~「あてはまらない」の5段階で尋ねたところ、全体では「あてはまる」と回答したのは8.5%、「あてはまる」と「ややあてはまる」の合計では34.7%となりました。
 性年代別では異なる傾向が見られました。「あてはまる」が1割を超えたのは男性の16〜19歳・60代・70代のみでした。同じ年代で比べると女性よりも男性の方が問題意識を持つ方が多いようです。
 「あてはまらない」と回答した方を年代別に見ていくと、16~19歳から30代の回答が高めです。特に女性の20代・30代では3割を超えており、「あてはまる・ややあてはまる」の合計よりも多い割合を占めています。
 16〜19歳男女では「あてはまる・ややあてはまる」と回答する方と「あてはまらない・あまりあてはまらない」と回答する方に分かれているようです。学校での学習経験や、ボランティア活動の有無などが意識に影響しているのかもしれません。
水産資源 問題意識 魚 海 海洋

 今回の調査では、1週間に1日以上魚を食べる方は8割を超えていましたが、価格が上昇すると「買わない」とする魚やメニューが比較的多くあるという結果になりました。もしこの先魚の価格が全体的に上昇した場合、食卓に魚料理が登場する回数や外食店で魚のメニューを注文することが減ってしまうのかもしれません。
 一方で水産資源の減少に対する意識は性年代によって差がありました。日本の漁獲量が減少傾向であり、それが価格の上昇につながり、自らの食生活に影響が出る可能性があることについて、生活者の理解はこれからとも言えそうです。


 

【調査概要】
調査地域 :全国

調査対象者:16~79歳のT会員男女
有効回答数:2,670サンプル
調査期間 :2022年4月26日(火)~2022年5月9日(月)
実査機関 :CCCマーケティング株式会社
調査方法 :インターネット調査(Tリサーチ)

本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。


【調査内容】
質問数:全10問
質問項目:
魚(魚介類)の喫食頻度
魚(魚介類)の購入頻度
魚(魚介類)の価格認知
魚介類の好意度・喫食経験・頻度・喫食量が増えたもの
魚料理・加工品の好意度・喫食経験・頻度・喫食量が増えたもの
魚介類の喫食意向
魚料理・加工品の喫食意向
魚を食べる理由
魚に対する意識と行動
属性(性年代・同居家族・職業)                                                                                      

【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計

【注意事項】
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。

【商品名/番号】
品名:魚に関する調査(2022年4月)
番号:22-003-002

【価格】
集計一式:12,000円(税別)


【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:杉浦・斎藤
[email protected]

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