夕食と息抜きは家の中で

CCCマーケティング総研では、2021年6月より定期的に「時間と場所に関する調査」を実施し、睡眠や食事など1日の生活を中心に、行動の時間帯や行動する場所を全国のT会員の皆様にお伺いしています。今回は各種行動の実施率と実施場所について、新型コロナウイルス流行前と2021年6月、2022年6月の調査結果を比較し変化を見ていきます。
 2021年6月の調査期間(6月10日~16日)は、東京都では緊急事態宣言が出されている時期でした。2022年6月の調査期間(6月3日~9日)は、前年の6月ごろと比べて感染者数は多いものの、減少傾向にあったタイミングです。

友達と会うことや百貨店や専門店での買い物はまだ控えめ
 図1は各行動の実施率です。新型コロナウイルス流行前と比べると、食に関する項目を除き2021年6月には実施率が減少しています。中でも「衣服や家電など百貨店や専門店での買い物」「友達と会う」が大きな減少となっています。生活者の外出自粛の意識に加え、この頃は百貨店や専門店では休業や営業時間の短縮を行ったお店もあり、買い物をする機会や友達に会う機会が減ったと考えられます。
 次に2022年6月の実施率を見てみましょう。多くが新型コロナウイルス流行前の水準に近づいてきています。しかし「友達と会う」「衣服や家電など百貨店や専門店での買い物」については、2021年6月の落ち込みからだいぶ増えたとはいえ、流行前と比べるとまだ戻り切っていないようです。


繁華街へのお出かけが戻らず
 次に、各行動実施者の「実施する場所」を見ていきましょう。今回は「夕食をとる場所」「友達と会う場所」「息抜きをする場所」を取り上げます。
 まず「夕食」(図2-1)ですが、「家の中」は新型コロナウイルス流行前で89.4%と多くの方が回答していましたが、流行後は2021年6月で94.8%に上昇しました。2022年6月でも93.9%とその傾向が維持されています。家以外の場所を見てみると、いずれも2021年6月に大幅に利用率が減ってから元通りにはなっていません。
 2021年6月頃は、行動の自粛や飲食店の営業時間の短縮が家の中での食事が増加する要因になったと言えそうですが、2022年6月にも「家の中」での夕食が高水準となっており、生活者にとってはまだあまり飲食店を利用する気持ちにならない、あるいは家で夕食をとることが当たり前のようになっているのかもしれません。

時間と場所 生活者変化 家の中ですること 友達と会う場所 息抜きする場所 夕食をとる場所
 「友達と会う場所」(図2-2)は、新型コロナウイルス流行前では「繁華街」「友人や家族の居住地の近く」が主な回答でした。2021年6月では「家の近く」「友人や家族の居住地の近く」といった近場が増え、「繁華街」が大きく落ち込んでいます。2022年6月は「繁華街」も増加しましたが、「繁華街」「友人や家族の居住地の近く」「家の近く」の3つに分かれる傾向が見られます。
繁華街 家の近く 居住地の近く 家の中
     
 「息抜きをする場所」(図2-3)は新型コロナウイルス流行前では「家の中」が6割と高いものの、「家の近く」「繁華街」など外出先での息抜きも多く見られました。2021年6月になると「家の中」が72.8%と急上昇し、2022年6月も高い傾向が続いています。「友人や家族の居住地の近く」「繁華街」「その他国内」は2021年6月に大きく減少し、2022年6月には回復してきたものの、新型コロナウイルス流行前と比べて低い結果となっています。
 一方で「家の近く」での実施率に変化はありません。息抜きをするのにわざわざ遠くに出かけない、人の多い場所には行きたくない、という心理も働いていそうです。

行動制限によって変わる生活動線 コロナの影響 コロナ後の生活者変化 心理
 

 
 2022年6月には、各種行動の実施率は多くが回復の傾向が見られましたが、場所を見ていくと「家の中」「家の近く」が支持され、繁華街へのお出かけを控えている様子も見られました。その影響か繁華街の店舗が多いとみられる百貨店や専門店での買い物は、以前と同じ水準には戻り切っていません。

 新型コロナウイルス流行以前と異なる動きとして、夕食や息抜きは「家の中」での実施が増加傾向であることが挙げられます。感染拡大防止のための行動制限に戸惑った生活者も、長期の自粛生活の中でおうちでの夕食や息抜きの良さを発見し、今や新しい日常として定着しているのかもしれません。
 CCCマーケティング総研では、引き続き行動場所や行動時間を調査し、生活者の変化を見ていきたいと思います。

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象者:男女16~79歳のT会員
有効回答数:2,847サンプル
調査期間:2022年6月3日(金)~2022年6月10日(金)
実査機関:CCCマーケティング株式会社
調査方法:インターネット調査(Tリサーチ)
 
本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。
 
【調査内容】
質問数:全26問
調査項目 :ダウンロード資料に記載

【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計

【注意事項】
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。

【商品名/番号】
品名:時間と場所に関する調査(2022年6月)
番号:22-004-002

【価格】

集計一式:36,000円(税別)

 

 

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【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:杉浦・斎藤
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