多岐にわたる値上げの影響は外食や衣類の購入控えに?

今回のテーマは「値上げ」です。このところニュースなどで「物価高」をという言葉が頻繁に取り上げられています。生活者に馴染み深い商品やサービスについても、値上げするという話を聞くのは、1つや2つどころではなかったのではないでしょうか。
 総務省の消費者物価指数(2020年基準)の総合指数は、2022年1月から5月まで前月比で0.3~0.4のプラスとなっており、物価の上昇が続いていたことがわかります。それでは生活者の実感としてはどの程度なのでしょうか。CCCマーケティング総研は、2022年7月7日(木)~13日(水)に16~79歳の男女T会員の皆さまに「値上げ」についてアンケートを行いました。

スーパー、ガソリンスタンドで価格上昇を実感、ネットショッピングでは値上げを感じない方も多い
 最初に値上げの変化を感じるお店を見ていきましょう。図1では、お店(業態)ごとに「値上げを感じる」と「値上げを感じない・下がっていると感じる」の回答の割合を比較しています。
 「値上げを感じる」が特に高いのは「スーパーマーケット」(82.2%)、「ガソリンスタンド」(77.8%)、「主に食料品を扱う地域の商店」(67.5%)で、いずれも「値上げを感じない・下がっていると感じる」が10%を切る低さとなっています。購入する機会の多い、生活密着型のお店での価格上昇を強く実感するようです。
 「ネットショッピング」は45.4%が「値上げを感じる」と回答しながらも、「値上げを感じない・下がっていると感じる」は24.8%と調査した中では最も高くなっています。
ネットショッピング 値上げ ガソリン代 高騰 家計

ガソリン、電気・ガス・水道、食品で価格の上昇を実感
 それでは、各品目についてはどのように感じているでしょうか。図2では普段から価格を意識しているものについて、価格の変化の実感を表しています。
 「ガソリン」については「とても高くなった」で80.4%、「少し高くなった」と合わせると97.8%の方が「高くなった」と感じています。他に「電気・ガス・水道」、「食用油」も半数以上の方が「とても高くなった」と回答し、大幅な価格上昇を感じていることがわかりました。
 「とても高くなった」と「少し高くなった」の合計では、この3つの品目に加え「生鮮食品」「小麦粉」「即席麺(カップ麺など)」の食品が9割を超えています。調査した24品目の半数以上で「高くなった(合計)」が8割を超える結果となりましたが、「1年前と変わらない」との回答が多かったのは「通信費(インターネット・電話)」(37.6%)、「塾・習い事」(32.9%)でした。
価格の変化 価格の上昇 生鮮食品 通信費 習い事外食利用や衣類の購入は頻度を減らす
 最後に価格の上昇を感じてからの商品やサービスの購入状況を見ていきましょう。図3は、品目ごとに「これまでと同様に購入している(購入量は減少していない)」「購入量・頻度を減らして購入している」の2つの回答状況を比較したものです。なお、各品目について価格の上昇を感じ、過去に購入・利用したことがある方に限定して集計を行っています。
 「これまでと同様に購入している(購入量は減少していない)」が「購入量・頻度を減らして購入している」を大きく上回るものは「電気・ガス・水道」「ガソリン」「通信費(インターネット・電話)」など簡単に使用量を減らしたり変えることが難しいものや、「ティッシュ・トイレットペーパー」「洗剤」といった生活に必要なものでした。「衣類」については「購入量・頻度を減らして購入している」が「これまでと同様に購入」を上回っており、今すぐに購入する必要がなければ我慢している様子がうかがえます。
 食に関する品目を見ていきましょう。食品の中では「生鮮食品」で「これまでと同様の購入」が「減らす」を大きく上回っています。「即席麺(カップ麺など)」「レトルト食品(カレーなど)」「菓子類」はこれまでと同様の購入をしている方が多いものの、購入量や頻度を減らすという方も多くなっています。また、「外食(レストランなど)」に目を向けると「減らす」が「これまで通り」を上回る結果となりました。
外食 価格上昇 サービス ネットショッピング ガソリン値上げ

それでは、今後1~2年も価格が上昇したまま、あるいはさらに上昇するようなことがあると商品・サービスの購入意向はどうなるでしょうか。
 図4は過去に購入・利用したことがある方のみで品目ごとの購入意向を集計した結果です。各品目について「引き続き購入する(購入量は減少しない)」「購入量・頻度を減らして引き続き購入する」の2つの回答状況を比較していくと、「外食(レストランなど)」「衣類」「弁当・惣菜」等で「購入量・頻度を減らして引き続き購入」が「引き続き購入する(購入量は減少しない)」を上回りました。また、図3での現在の購入状況と比較すると「購入量は減少しない」と「購入量・頻度を減らして引き続き購入」で大きな差が見られない品目が増加しており、これまでのお買い物が変化する様相を見せています。
弁当 惣菜 購入量 購入頻度 値上げ 買い物

現在日本では賃金が上昇していないと言われています。アンケートでは外食や衣類の購入頻度を減らしている方が、これまでと同様の購入をしている方をうわ回るという結果が見られましたが、必需品の購入を優先するため、別の品目の購入をあきらめるという判断もあるでしょう。今回のアンケートからは、現在これまでどおりに購入していても、今後も物価高が続けば購入状況に変化が起きる可能性が見えてきました。CCCマーケティング総研では引き続き生活者の購買やくらしに関する意識について調査し、生活者のいまをお伝えしていきたいと思います。

【調査概要】
調査地域:全国
調査対象者:男女16~79歳のT会員
有効回答数:2,711サンプル
調査期間:2022年7月7日(木)~2022年7月13日(水)
実査機関:CCCマーケティング株式会社
調査方法:インターネット調査(Tリサーチ)
 
本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。
 
【調査内容】
質問数:全9問
調査項目
・物価高の実感
・「物価高」について見聞きしたメディア・場所
・お店(業態)別 価格変化の実感
・普段から価格を意識している品目
・品目別 価格変化の実感
・品目別 値上げ実感後の購入状況
・品目別 今後も価格が高い場合の購入意向
・物価高に対して意識して行ったこと
・物価高に関する考え
属性項目(性別・年代・同居家族・職業)

【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計

【注意事項】
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。

【商品名/番号】
品名:値上げに関する調査(2022年7月)
番号:22-005-002

【価格】

集計一式:12,000円(税別)

 


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【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:杉浦・斎藤
[email protected]

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