2022年2月

本レポートは、CCCマーケティング株式会社がT会員にサービス提供している家計簿アプリ「レシーカ」ユーザー(約5万人)のレシートデータと、CCCマーケティング総合研究所による全国主要企業へのヒアリング調査に基づき、独自の視点で「食」業態を中心としたレポートをお届けします。
 

業態間競争の分岐となるミールキット

 新型コロナウイルス感染症の拡大は生活者の食環境に大きな変化を及ぼしています。外食機会は激減する一方で、長く縮小傾向が続いてきた内食は盛り返し、内食・中食・外食のシェアはコロナ前とは大きく様変わりしてきています。新型コロナウイルス感染症拡大直後は、それまで好調に推移していた中食市場にも大きな影響が見られました。コンビニエンスストアは“デスクフード”と呼ばれるジャンルを確立し、中食市場の拡大に大きく貢献しましたが、流動転換の影響から“デスクフード”需要は大幅に落ち込んでしまいました。こうした影響からコンビニエンスストアは家庭内での喫食にも対応する中食ジャンルの強化に乗り出し、即食・保存食の両用にも対応する冷凍食品ジャンルの強化が業績回復に大きく貢献しています。

 こうした中で、外食・中食・内食のすべてのジャンルのプレイヤーが積極的に強化しているのが「ミールキット」です。ミールキットは簡便さ、多様な食材活用による栄養バランスなどが理由となって支持を集め、ゆるやかに市場拡大傾向にありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大により利用が大幅に増加しました。以前は都市型ビジネスとしての性格が強い傾向でしたが、コロナ禍により全国規模での広がりを見せており、拡大のペースは一段と上昇してきています。

 ミールキットは内食的視点から調理に基軸を置いたタイプ、外食的視点から即食・簡便性に特化した加工品タイプに大別されますが、新型コロナ感染症が国内で感染が拡大した直後は調理タイプの利用が急増しましたが、徐々に内食疲れの影響も見られはじめ、直近では即食・半調理タイプの利用拡大が進んでいます。

 こうした流れを受けて外食企業からもミールキット販売に進出する動きが出てきています。外食企業の一部はセントラルキッチンを持ち、野菜のカット加工や肉・野菜の下処理等を行っていますが、この機能を活かしてミールキット販売にも進出してきました。パスタやラーメンなどはテイクアウトではクオリティ維持が難しいと言われますが、ミールキット提供であれば店舗と同様のクオリティを維持することも可能なため、ミールキットはテイクアウトに不向きな業態でも売り上げ拡大が図れる取り組みと言えます。また、店舗販売力が低下する中、異なる販売チャネルを拡大することで調達力維持を図るメリットもあり、外食企業のミールキット販売は様々なメリットから今後も増加していく可能性が高いと考えられます。

 一方、スーパーマーケット、コンビニエンスストアはEC利用者の取り込みに課題を抱える企業が多くありますが、ミールキットをきっかけにEC利用が拡大してきている企業も多く、アイテム強化により客層拡大を図る動きが強まっています。

 食材ロスの解消など、ミールソリューションとしても注目されるミールキット市場の動きは、食に関連する様々な業態の今後に大きく影響する取り組みであり、プレイヤー乱立の状況がしばし続くと予想されます。どのような形態のミールキットが最も生活者の支持を集めていくか、今後もその動きに注目です。

 

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担当:杉浦・斎藤