2日間でアイデア300個!生活者との共創コミュニティを通じて目指す、新しい観光マーケティングとは

小笠原村観光局

事務局長 根岸康弘 氏

東京都心から南に約1,000キロ。24時間かけた船旅の先にある小笠原諸島は、ユネスコの世界自然遺産にも登録された自然の宝庫であり、同時に、豊かな観光資源に恵まれた観光地でもあります。

年間約2万人の観光客が訪れるという小笠原村では、島の認知拡大とファンづくりのためにさまざまな施策を進めてきましたが、新たな取り組みとして、CCCマーケティングが運用する、生活者と企業が共創できるコミュニティサイト『Blabo!』の仕組みを活用した『おがさわラボ』を展開しています。

小笠原村観光局が「Blabo!」で投げかけるさまざまな「お題」を通じて、小笠原村と生活者とのコミュニケーションを広げていこうという試みですが、小笠原村は、なぜ「Blabo!」を選んだのか。そして、『おがさわラボ』はどのような効果をもたらしているのか。

小笠原村観光局事務局長を務める根岸康弘氏と、CCCマーケティングでプランナーを務めると同時に、自身が小笠原のファンで「小笠原アンバサダー」でもある久冨哲兵氏が語りました。

  • 目的
    小笠原村の魅力についての認知拡大やファン作りを行う取り組みの一環として、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした「小笠原村独自の緊急事態宣言」の期間中に、来島自粛を呼びかけるキャッチコピーを集めたい
  • 施策
    共創コミュニティサイト『Blabo!』にて、小笠原村観光局からの問いかけに対し、生活者がアイデアを投稿する『おがさわラボ』。今回はこのプロジェクトを活用し、生活者からのキャッチコピーアイデアを緊急募集。
  • 効果
    募集開始から2日間で約300個のアイデア投稿があり、異例の短期間で定期船「おがさわら丸」のデジタルサイネージでの掲出やプレスリリースの発信まで実施することができた

小笠原を知らない人との接点をつくりたい

根岸(小笠原村観光局)「久冨さんには、『小笠原アンバサダープログラム』(※)でお世話になっています。改めてお礼を言うと少し変な感じですが、いつもありがとうございます(笑)。

そもそも『おがさわラボ』は、久冨さんがアンバサダーだからこそ、実現したものだと思っているんです。私たちはいま、小笠原と個人とのつながりをさらに広げて、個人の特技や、所属している組織での活動を小笠原に生かしてもらうという取り組みを進めているので、『おがさわラボ』は、まさにその事例第1号です」

久冨(CCCMK)「ありがとうございます。私は個人的には、いち小笠原ファンとしてアンバサダーを務めていますが、その中で小笠原村観光局さんの現在の取り組みや目指している姿をお伺いして、CCCマーケティングの社員として会社も巻き込みながら双方にとって意義のある企画ができないかを考えていきました。その中で生まれたのが『おがさわラボ』だったので、まさに根岸さんのおっしゃる通りの展開だったと思います。

『おがさわラボ』は、弊社が提供している『Blabo!』を活用した施策ですが、ご紹介をさせていただいた際に、非常に関心を持っていただいけた印象です」

根岸(小笠原村観光局)「お話を伺った時、非常に面白いなと思いました。それは『Blabo!』が、我々のプロモーションの方向性と一致していると感じたからなんです。小笠原諸島の魅力は多様性に富んでおり、また、一度小笠原に来たお客さまのリピート率は3.5人に1人とかなり高いのが特徴です。小笠原村観光局では、百人百通りの楽しみ方が出来る小笠原の魅力を正確且つ効果的に発信する方法として『クチコミ』という手法に力を入れており、『クチコミ』の担い手として、リピーターのみなさんに”小笠原の広告塔”になってもらう『アンバサダープログラム』を運用しているんです。

『Blabo!』にはいろいろなことに興味を持ち、発信したい人が集まっているという点で小笠原アンバサダーのみなさんともリンクしており、この方々に小笠原を知っていただき、発信してもらうことで新しい誘致の形を実現できると感じました

久冨(CCCMK)「確かに小笠原は、1回行くと心を奪われる人が多いですからね。そしてとにかく、誰かに小笠原の話をしたくて仕方がない。私もその1人ですけれど(笑)。だから、小笠原についてさまざまなことが発信できるアンバサダープログラムは、ファンにとっても非常にうれしい取り組みです」

根岸(小笠原村観光局)「ありがとうございます!ただアンバサダーは、基本的には小笠原のリピーターの方が多いので、広がりにも限界があります。そこで、より多くの小笠原に来たことがない方にも小笠原のファンになっていただける仕組みをつくれないかと考えていたときに、久冨さんから『Blabo!』のお話をうかがったんです。

『Blabo!』は、企業や我々のような公共団体が、生活者から、自分たちの抱えている課題を解決するアイデアを募集するという、とてもオープンなコミュニティですよね。これを活用することで、まだ小笠原のことを知らない方々との接点をつくり、さらにファンになっていただける可能性を感じたんです。『Blabo!』はまさに、我々のやりたいこととリンクしていました」

久冨(CCCMK)「まさにおっしゃる通りで、私も、アンバサダープログラムのもうひとつ外側にいる潜在顧客層に対して、小笠原を知ってもらう、興味を持ってもらうきっかけを作れないかとずっと考えていました。そこで思いついたのが、約3 万人の会員を持つ『Blabo!』の活用だったんです。『Blabo!』の会員は、好奇心が強く情報発信力があって、インフルエンサーになりうるポテンシャルを持った方もたくさんいます。この仕組みを使わない手はない!と思ってご提案したのが『おがさわラボ』でした」

 

2日間で約300個のアイデア投稿が集まる

根岸(小笠原村観光局)「『おがさわラボ』では、今まで4回ほど、『Blabo!』ユーザーの知恵を借りてきました。"小笠原での、雨の日の楽しみ方"、"おがさわら丸に乗船中の24時間の過ごし方"、"小笠原の魅力を伝えるキャッチコピー"。
そして4回目は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、小笠原村が『村内コロナウイルス一掃期間』として島独自の緊急事態宣言を発出した際に、小笠原諸島と本土の往来を抑制するためのキャッチコピーを募集しました。どれも、小笠原を知らない方々にも『小笠原ってどんなところなんだろう』という関心を持ってもらえるテーマだったと思います。

実は、小笠原の島民の間では、まだ『おがさわラボ』の認知はそれほど高くないのですが、4回目の来島抑止のキャッチコピーについては関心を持ってくれる島民がとても多かったんです。『コピーをお年寄りにも見せたいから、どこかに張り出せるようなポスターにしてほしい』という声もいただきました」

久冨(CCCMK)「そういっていただけると嬉しいです。とは言え、この4回目のキャッチコピー募集のときは、企画から実施まで時間がとても短かったので、正直なところ、結果については量的にも質的にも心配していたんです」

根岸(小笠原村観光局)「島独自の『緊急事態宣言』を発出したのが2021年8月24日。その発出と同時に、キャッチコピーをおがさわら丸のデジタルサイネージで掲出しようと『おがさわラボ』で募集をかけたんでしたね」

久冨(CCCMK)「『こんなことをやりたいんだけど、最短でどのくらいでできる?』と根岸さんからお電話をいただいたのが、8月20日でした。実施まで中3日しかないという、タイミングで……」

根岸(小笠原村観光局)「同じタイミングで小笠原アンバサダーからもキャッチコピーを募ったのですが、小笠原を知らない方々にも共感していただけるような、より客観的なキャッチコピーが欲しくて…。そう悩んでいたときに『あ、これは『おがさわラボ』だ!』と、久冨さんにご相談したんです。いま思えば、かなりの無茶振りですね(笑)」

久冨(CCCMK)「いえいえ。でも私もお話をうかがって、これはやるべきだ!と思ったので、私も『おがさわラボ』のプロジェクトメンバーと協力して、『Blabo!』史上最速で実施までこぎつけました。通常の案件ではプランナー、セールス、データアナリストなど役割を分けてやっているのですが、『おがさわラボ』については、良い意味でメンバー全員がそれぞれの領域を侵しながら一丸となって取り組んでいるので、やりきれたと思います」

根岸(小笠原村観光局)「おかげさまで、募集期間は8月21~22日の土日2日間でしたが、約300個のアイデア投稿があって、とても驚きました。しかも、今回の島独自の『緊急事態宣言』を自分ごととして捉えてくださっている方が多いことにも感動しました。これ以前に3回、小笠原にまつわるいろいろなアイデアを募集していたので、ある程度は情報をお持ちの方もいたかもしれませんが、基本的には生活レベルでの接点はありませんよね。それにもかかわらず、まるで島に住んでいるかのような感覚で、親身になってキャッチコピーを考えてくれた。『Blabo!』ユーザーの底知れぬパワーを感じました

久冨(CCCMK)「もともと『Blabo!』ユーザーは、アイデアが豊富で、課題を自分ゴト化して考える力が強い方が多いんです。そこが今回、しっかり発揮できたのではないかと思います。あと、根岸さんがおっしゃるように、過去3回の課題を通じて小笠原に関心を持った方も多かったのではないでしょうか。それを考えると、着実に『おがさわラボ』の成果は出ているのかなと感じます」

根岸(小笠原村観光局)「本当に、ガイドブックやネットの情報からだけではわからないような、島とお客様の関係性までちゃんと理解されている作品がとても多かったんですよ。最終的に5つのキャッチコピーを企画会議賞として選出しましたが、すばらしい作品ばかりで、選ぶのに本当に悩みました」

 

ファン作りができる『おがさわラボ』には可能性しか感じない!

久冨(CCCMK)「私も投稿されたアイデアを見ていて、これだけの方が小笠原に関心を持っていたということに驚きました。また、この事例についてはプレスリリースを発信したり、観光局さんにもSNSで発信していただいたりすることで、認知を広げることができたと思いますが、先ほどの根岸さんのお話をうかがって、島民の方にも『おがさわラボ』に関心を持っていただくきっかけになったことをうれしく思います。『おがさわラボ』を、島民とこれから小笠原のファンになりそうな方々をつなぐツールにもしていきたいですね」

根岸(小笠原村観光局)「私もそう思います。CCCマーケティングさんのデータを活用した観光客の分析や、島でTカードが使えるようになるような取り組みはもちろんですが、ファン作りという点では、小学生に『おがさわラボ』に参加してもらいたいと思っています。小笠原村観光局では、小学校の授業にゲストティーチャーという形で協力させていただいているのですが、小笠原に関する授業を受けた小学生は、『小笠原に行きたい!』と両親に熱心にプレゼンしてくれる史上最強のインフルエンサーに変身するんです(笑)。」

久冨(CCCMK)「面白いですね。私たちも、小学生も含め、老若男女問わず広く企画を考えられる場所をつくりたいと思っていて、『おがさわラボ』がその役割を果たせたらいいなと思います。そして、集まったアイデアの中から、社会的に実装できるものもつくっていきたいと思っています。
弊社にはクラウドファンディングの仕組みもありますし、告知のためのメディアもある。さらに、効果的なマーケティングを実現できる膨大なデータもあります。弊社のさまざまなアセットを組み合わせて活用いただくことで、可能性は大きく広がると考えています」

根岸(小笠原村観光局)「私は『おがさわラボ』には可能性しか感じていません!いまの久冨さんのお話と、我々が進もうとしていることのベクトルは完全に一致していますよね。ひとりでも多くの方が小笠原に触れる機会をつくって、ひとりでも多くの小笠原ファンを増やしていく。これからもこの取り組みをCCCマーケティングさんと続けていきたいですね

写真提供:小笠原村観光局

(※)「小笠原アンバサダープログラム」小笠原の魅力を発信していきたいという個人のために、小笠原村観光局が運用しているプログラム。アンバサダーに登録すると、限定のイベントやモニターなどに参加できる。

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