冷凍食品購入ランキング!データから見えるブランドシェアの傾向とは

冷凍食品購入ランキング!データから見えるブランドシェアの傾向とは

石原ひとみさん

こんにちは、CCCマーケティングの石原です。

最近では製造技術の向上や企業のみなさまの努力により、高品質なものが増えてきた冷凍食品。テレビでもよく取り上げられており、食卓に並ぶ機会も増えてきていますよね。

そこで今回の記事では、性別や年齢ごとに、どのような冷凍食品が好まれているのか、消費者の購買履歴を集計した分析結果を元にご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.今回使用するデータの概要
  2. 2.冷凍食品の基準・定義とは?
  3. 3.冷凍食品のブランドシェアをチェック
  4. 4.女性が選ぶ冷凍食品の傾向
  5. 5.男性が選ぶ冷凍食品の傾向
  6. 6.冷凍食品購入ランキングをセグメント別に発表
    1. 6.1.【小学生以下子持ちママ】「アンパンマンポテト」など子どものお弁当用おかずがランクイン
    2. 6.2.【一人暮らしの独身男性】がっつり主食が8商品ランクイン!夕食を簡便化?
    3. 6.3.【シニア世代】夕食には麺類を購入?揚げ物から餃子への移行も!
  7. 7.冷凍食品の購買傾向の詳細分析をマーケティングに活用可能

今回使用するデータの概要

今回使用するデータの抽出定義は、以下です。

・期間:2020年3月1日~2021年2月28日
・抽出元:多種多様なTポイント提携先の購買
・対象者:全国・20~89歳の男女

冷凍食品の基準・定義とは?

冷凍食品とは、製造・加工した食品および切り身・むき身にした鮮魚介類を凍結させたもののことで、以下のように分類されます。

【冷凍食品の分類】

1. 無加熱摂取冷凍食品…冷凍食品のうち、食べる前に加熱を要しないもの(果実類など)
2. 加熱後摂取冷凍食品(凍結前未加熱)…冷凍食品のうち、一部加熱済みか未加熱で、食べる前に加熱を要するもの(餃子など)
3. 加熱後摂取冷凍食品(凍結前加熱済)…冷凍食品のうち、凍結前に加熱済みで、食べる前にも加熱を要するもののこと(フライドポテトなど)
4. 生食用冷凍鮮魚介類…冷凍食品のうち、生食用の切り身またはむき身にした鮮魚介類を凍結させたもののこと(マグロの刺身など)

「食品別の規格基準(冷凍食品)」(大阪検疫所)

今回は、加熱後摂取冷凍食品にあたるおかず系・主食系の冷凍食品についてブランドシェアを見ていきます。

今回使用するデータは下記よりダウンロードいただけます。

冷凍食品のデータをダウンロードする

冷凍食品のブランドシェアをチェック

冷凍食品のブランドシェアをチェック

まずは全体のブランドシェアを見てみましょう。
冷凍食品のブランド名が書かれた四角形の大きさがシェアの大きさを表します。

冷凍食品購入者全体(T会員)を分析したところ、最も高いシェアは「味の素 ギョーザ」の11.31%、続いて「大阪王将 餃子」「ニチレイ 本格炒め炒飯」となり、TOP5はすべて中華系冷凍食品で占められていることがわかります。

お弁当のおかずがメインだった冷凍食品が、主食や夕食の一品として取り入れられているのかもしれません。

年代ごとに見ていくと、20~50代において3~4位に入る「味の素 ザ・チャーハン」は60代で7位、80代にいたっては16位と年代が上がるにつれてランキングが下降しました。
一方で、「味の素 ギョーザ」と「ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり」のシェアは年齢が上がるにつれてランキングが上昇します。

年代が上がるにつれ大容量の商品から小腹が満たせる冷凍食品へとニーズが変化しているのかもしれません。
では、男性・女性に分けて詳しく見ていきましょう。

女性が選ぶ冷凍食品の傾向

女性が選ぶ冷凍食品の特徴を見てみると、ライフステージの変化による影響が見られました。

20代ではまだお弁当のおかずになる商品と濃い味付けの主食となる商品が混在しています。
図の中の赤枠がこってり系のブランド、青枠が子どものお弁当用ブランドです。

女性が選ぶ冷凍食品の傾向_20代

「味の素 ザ・チャーハン」「マルハ 牛カルビマヨネーズ」は一人暮らし女性の手軽な食事が連想されますが、同時に「味の素 それゆけ!アンパンマンポテト」「ニッスイ 3種の和惣菜」「ニチレイ ミニハンバーグ」などお弁当のおかずとして使われる商品の順位も上がっており、独身一人暮らしの20代女性と小さな子どもを持つママという2種類の消費者層が混在していることが想定できます。

女性が選ぶ冷凍食品の傾向_30代

30代になると「マルハ えびとチーズのグラタン」や「ニチレイ 焼きおにぎり」がランクアップしており、「ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり」も5位にランクインしていました。また、「味の素 それゆけ!アンパンマンポテト」は20代よりもさらにシェアが高まっています。

図を見ても青枠のブランドはシェアが増え、上位へ移動しているのに対し、赤枠のブランドはシェアが減っていることから、若年層から主婦層へと移行したのかもしれません。

さらに、40代になってもお弁当用のブランドは多いまま、子どもの成長に合わせて「ニチレイ ミニハンバーグ」「ケイエス 鶏つくね串」「ニッスイ コーンクリームコロッケ」など、ボリュームのある商品のニーズが高まります。

このように、自分用おかずから子ども用、さらに子どもの年齢に合わせた変化など、購入する冷凍食品のブランドは、ライフステージの変化に影響を受けるのかもしれません。

男性が選ぶ冷凍食品の傾向

男性は、女性よりもお弁当向け商品のランクインが少なく、年代に応じて揚げ物おかず系からあっさり主食系への変化が見られました。

まず20代を見てみると、1位の「ニチレイ 本格炒め炒飯」を筆頭に炒飯が上位に多くランクインする一方で、20代女性で人気だったお弁当のおかずとなる冷凍食品はランクインしておらず、一食を冷凍食品で手軽に済ませたい男性像が見えてきました。

40代になると「ニチレイ パリパリの春巻」「ニチレイ 衣がサクサク牛肉コロッケ」「ニッスイ コーンクリームコロッケ」など、揚げ物おかずのニーズが高まります。

男性が選ぶ冷凍食品の傾向_40代

一般的に単身世帯の割合が減るにつれてお弁当用の商品購入が増えたり、夕食のおかずの1品として好まれているのかもしれません。

60代にかけて揚げ物おかずのニーズは低下し、麺類や焼きおにぎりなど、あっさりとした主食のブランドに人気が集まりました。

男性が選ぶ冷凍食品の傾向_60代

「ニッスイ 大きな大きな焼きおにぎり」は40代男性では11位でしたが、60代男性では4位に大幅ランクアップしています。ボリュームがありつつさっぱりとした味付けの主食が多く購入されるようです。

その後、70代・80代ではTOP20内に揚げ物はなく、あっさりとした主食や夕食のおかずとなる中華系冷凍食品へのニーズがより高まります。
年代が上がるにつれて、揚げ物系おかずからさっぱり主食への移行があるのかもしれません。

冷凍食品購入ランキングをセグメント別に発表

続いては、冷凍食品をよく購入する層として「小学生以下の子どもを持つ女性」「独身一人暮らしの男性」「シニア」の3つにセグメント分けして、ランキングをみていきましょう。

冷凍食品購入ランキングをセグメント別に発表

上の図は、セグメント別の冷凍食品ブランドランキングTOP15です。

右端のグラフとパーセンテージが、それぞれのセグメントごとのシェアを数値で表しています。

どのセグメントでも「味の素 ギョーザ」が1・2位へランクインしましたが、以降のブランドにはセグメントごとにランクインする商品に違いが見えました。
購入率ランキングからセグメント別の傾向をみていきましょう。

【小学生以下子持ちママ】「アンパンマンポテト」など子どものお弁当用おかずがランクイン

【小学生以下子持ちママ】「アンパンマンポテト」など子どものお弁当用おかずがランクイン

小学生以下の子どもを持つママセグメントでは、他セグメントと比較しても子どものお弁当用使えるからあげやハンバーグ、コロッケ、シュウマイなどが多くランクインしています。
特に、13位の「味の素 それゆけ!アンパンマンポテト」は子どもの好きなキャラクターのかたちをしているなど、子どもの味覚や趣味に沿った商品へのニーズが高いと考えられます。

焼きおにぎりは子どもでも簡単に食べられ、小腹を満たすことができることから朝食やおやつ用に人気なのかもしれません。

【一人暮らしの独身男性】がっつり主食が8商品ランクイン!夕食を簡便化?

【一人暮らしの独身男性】がっつり主食が8商品ランクイン!夕食を簡便化?

独身男性は炒飯やお好み焼き、あんかけ焼きそばなど、主食となる冷凍食品がTOP15のうち8商品を占めました。
シニア層もランクインした商品数は多いですが、シェアを見てみると圧倒的に独身男性一人暮らしの方が主食の割合が多いことが分かります。

また、「男達に贈る、たましいの一撃」というキャッチコピーにもあるように、男性をターゲットにした味の素の「ザ★」シリーズ「ザ・チャーハン」や「ザ・シュウマイ」のランキングも他セグメントより高く、がっつりとした主食やおかず系の商品で夕食を簡便化させようとしていることが分かります。

【シニア世代】夕食には麺類を購入?揚げ物から餃子への移行も!

【シニア世代】夕食には麺類を購入?揚げ物から餃子への移行も!

シニア世代も独身男性と同様に、主食や夕食の一品となる冷凍食品を購買する確率が高いようですが、あんかけラーメンやナポリタンスパゲティなど麺類が増えることが他のセグメントと比べて特徴的です。

夕食のおかずになる冷凍食品を中心に購入していて、ほかのセグメントと比較しても、「味の素 ギョーザ」へのシェアが飛び抜けて高いことがよくわかります。揚げ物おかずなどが食べづらくなるにつれて、自分で食べる量を調節しやすい餃子を選ぶ機会が増えるのかもしれません。

年代・性別ごとの分析結果だけでなく、ライフスタイルでセグメントすると、消費者の生活によりニーズは大きく変わることがわかります。

冷凍食品の購買傾向の詳細分析をマーケティングに活用可能

今回は冷凍食品の購買傾向をご紹介してきましたが、CCCマーケティングではさまざまなデータ分析を行い、企業のみなさまのマーケティングに活用いただいています。

購買データを活用して自社商品へのニーズを知ることは、的確なターゲティングやマーケティングにとっても重要です。

CCCマーケティングでは、約7,000万人のT会員の購買・行動データから購買者の「ひととなり」を詳細に分析することが可能です。
さらに施策の実施、効果検証まで一気通貫で行えますのでデータ活用にお悩みの方はご相談ください。

なお、今回の記事のもとになっているデータについては、以下よりダウンロードができます。こちらもぜひご覧ください。

冷凍食品購入ランキング

石原ひとみさん

石原ひとみ|マーケティングユニット
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