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ソーシャルリスニングとは?事例やツールを利用した分析手法を紹介

ソーシャルリスニングとは、SNSやブログなどのソーシャルメディアから消費者の声を収集・分析することをいいます。近年、SNSなどに上がる消費者の声は企業にとって有益なものとされ、ソーシャルリスニングを採用する企業が増えています。もっとも、ソーシャルリスニングという言葉を聞いて、ピンとこない方も多いかもしれません。

そこで本記事では、ソーシャルリスニングが注目を集める理由やメリット・デメリットのほか、実施する際の流れなどについて解説します。あわせて、実際にソーシャルリスニングをマーケティングに活用した事例もご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.ソーシャルリスニングとは、SNSなどで消費者が発信した情報を活用するマーケティング手法
  2. 2.ソーシャルリスニングが注目を集めている背景
  3. 3.ソーシャルリスニングのメリット
    1. 3.1.消費者のリアルな声を聞ける
    2. 3.2.業界の動きが見える
    3. 3.3.自社のブランドイメージを把握できる
    4. 3.4.風評被害などのリスクを把握できる
    5. 3.5.施策を行った場合の消費者からの評価が見える
  4. 4.ソーシャルリスニングのデメリット
    1. 4.1.情報量が多く、精査が難しい
    2. 4.2.消費者の評価を参考にしすぎると独自性がなくなることもある
  5. 5.ソーシャルリスニングの流れ
    1. 5.1.1. 目的と知りたい情報を明確にする
    2. 5.2.2. 調査するメディアを決める
    3. 5.3.3. 分析する対象を決める
    4. 5.4.4. 情報を収集する
    5. 5.5.5. 集めた情報を分析して商品開発や施策に活用する
  6. 6.CCCMKホールディングスのソーシャルリスニングサービス「Blabo!」の内容と特徴
  7. 7.CCCMKホールディングスのソーシャルリスニング支援サービスの活用事例
    1. 7.1.事例①消費者インサイトを探り、新しい形のシチューを開発
    2. 7.2.事例②:観光地の緊急事態宣言中のキャッチコピー募集
  8. 8.効果的なソーシャルリスニングを実施して、自社のビジネスに活かそう

ソーシャルリスニングとは、SNSなどで消費者が発信した情報を活用するマーケティング手法

ソーシャルリスニング(Social Listening)とは、SNSやブログなどで消費者が発信した情報を収集・分析して、商品開発や宣伝、ブランディング、リスク管理に活かすマーケティング手法のことです。

従来、ユーザーの生の声を収集する方法は、アンケートが主流でした。しかし、アンケートは時間がかかるだけでなく、企業が用意した質問に消費者が答える画一的な形式であるため、質問の仕方によっては回答が誘導されてしまったり、消費者の本音を聞き出しきれなかったりしてしまう可能性があります。自由記述の欄があっても、企業側を意識して本音を書けないことも考えられます。

一方、ソーシャルリスニングは、SNSやブログなどで発信された忌憚ない意見をリアルタイムですくい上げる手法です。つまり、本当の意味での消費者の本音を、商品開発や宣伝などに活かせる方法といえます。

ソーシャルリスニングが注目を集めている背景

ソーシャルリスニングが注目を集めている背景には、SNSやブログが普及し、消費者がクチコミを重視するようになったことがあります。SNSやブログが登場する前は、消費者は企業からの情報や近しい人からのクチコミだけをもとに、商品の購買を検討することがほとんどでした。
しかし、SNS・ブログの普及により、商品を実際に利用した人が情報を自由に発信・共有できるようになり、消費者は商品を購買するときにそのクチコミを参考するようになりました。

SNSの利用率を調べた、総務省「令和3年通信利用動向調査の結果」によると、インターネット利用者に占めるSNSの利用者の割合は、前年から4.9ポイント上昇して78.7%となっております。
多くの人が利用するSNS上での発言を分析することで、商品や企業に対する真の評価を把握し、マーケティングに活用しやすくなったといえます。

■SNSの利用状況 


出典:「令和3年通信利用動向調査の結果」(総務省)(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf)(2023年5月12日に利用) 

ソーシャルリスニングのメリット

ソーシャルリスニングによってSNSなどでの消費者の声を把握することは、企業に下記5つのようなメリットをもたらします。これらは、効果的な施策の立案・改善などに大きく役立つでしょう。

消費者のリアルな声を聞ける

ソーシャルリスニングの一番のメリットは、消費者の「生の声」を聞けることです。というのも、Twitterやレビューサイトなどの匿名性の高いSNSでは、周りの目を気にせず、本音を発信することがほとんどだと考えられているからです。
消費者が気軽に発信した、自社商品や競合他社の商品についての評価や意見から、消費者の真のニーズを把握したうえで、商品開発や宣伝・ブランディングに活かせることは大きな魅力となります。

業界の動きが見える

SNSやブログなどの発信を分析することで、消費者のニーズはもちろん、業界全体の動向も把握できます
例えば、SNSなどで自社の商品が属する商品ジャンルについて発信されている意見を収集すると、どのような特徴のある商品が求められているかという、業界のトレンドを知ることができるでしょう。

自社のブランドイメージを把握できる

ソーシャルリスニングでは、自社のブランドイメージを把握することもできます。商品・サービスのブランディングをしていても、消費者が実際に感じているイメージが、想定と異なるものになっていることはよくあります。
ソーシャルリスニングで消費者が持つ実際のブランドイメージを分析し、把握すれば、自社が想定するブランドイメージとのギャップを埋めるための方法を検討したり、消費者が感じているイメージに合わせてブランディング戦略を修正したりすることが可能です。

風評被害などのリスクを把握できる

Twitterやクチコミサイトなどでは、不確定な発言が拡散され、風評被害につながることがあります。あらかじめリスクにつながりそうなキーワードを追い、発言をチェックしておくことで、自社のウェブサイトやSNSアカウントで訂正や説明を早めに行い、風評被害が発生するリスクを防ぐことも可能です。

施策を行った場合の消費者からの評価が見える

ソーシャルリスニングを行っていると、キャンペーンやプロモーションを開始した直後から消費者の評価を確認することもできます。キャンペーンやプロモーションの開催中に「生の声」を把握することで、評価が低いところはすぐに修正し、評価が高い部分はよりアピールしていくなど、リアルタイムでの施策改善も可能です。

ソーシャルリスニングのデメリット

魅力の多いソーシャルリスニングですが、注意しなければならない点もあります。集めた情報をうまく分析・活用できるように下記の2点を意識しましょう。

情報量が多く、精査が難しい

TwitterやFacebookなどのSNSでは、日々、多くの投稿がされています。これらの情報量は非常に多く、さまざまな文体や単語で発信されるため、キーワードを精査しなければ必要な情報を得られないおそれがあります

また、Twitterなどの匿名性の高いSNSで集められる情報は、プロフィールが正しいのか判断がしづらいため、情報の精査も困難です。
調査するキーワードをあらゆる角度から検討するなどして、必要な情報を得られるよう入念な準備が必要です。

消費者の評価を参考にしすぎると独自性がなくなることもある

ソーシャルリスニングで得た消費者の声は、商品・サービスの開発やキャンペーン企画などで大いに役立つものです。しかし、消費者の声にすべて耳を傾けてしまうと、自社のオリジナリティが失われてしまう可能性もあります。消費者の声はもちろん大切ですが、自社の強みや立ち位置を意識したうえで取り入れることが重要です。

ソーシャルリスニングの流れ

ソーシャルリスニングを実施する際には、一定の手順があります。自社に必要な情報を入手するためには、下記の5つのステップで進めていくといいでしょう。

1. 目的と知りたい情報を明確にする

最初のステップは、ソーシャルリスニングをする目的を明確にすることです。目的を明確にすることで、知りたい情報を導くキーワードが選出しやすくなります
目的の具体例としては、「業界・市場のトレンドの把握」「商品・サービスの評価(自社、他社)の把握」「キャンペーンへの評価の把握」などが挙げられます。

2. 調査するメディアを決める

目的を決めたら、調査するメディアを決めます。メディアの選定では、下記の項目をチェックしましょう。

<メディア選定のチェックポイント>
・欲しい情報はあるか
・取得できる情報は古くないか(リアルタイムで取得できるか)
・信頼できる情報が入手できそうか

メディアを選ぶときによくある失敗が、「多くの情報が集まるか」を重視してしまうことです。しかし、重要なのは「そのメディアで必要な情報が収集できるか」です。

例えば、市場調査や業界の動向をリサーチするときは、さまざまな意見を収集できるTwitterが適しています。それに対して、購買した顧客の声を収集したいときには、Twitterではなくクチコミサイトのほうが適しています。このように、目的によって適するメディアは異なるため、情報量だけではなく、必要な情報があるかを意識しなければなりません。調査対象となる主なメディアは下記のとおりです。

<ソーシャルリスニングに活用できる主なメディア>
・SNS(Twitter、Facebook、Instagram、LINE、TikTok、Pinterest)
・YouTube
・ブログ(Ameba、livedoorなど)
・クチコミサイト(食べログ、価格.comなど)
・Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋、教えて!gooなど)
・掲示板(5ちゃんねる、ガールズちゃんねるなど)

3. 分析する対象を決める

調査するメディアを決めたら、分析対象とするアカウント(発言者)の範囲やキーワードを選定します。特にキーワードの選定は、必要な情報を収集できるかを左右する重要な要素です。確実に情報が得られそうなキーワードをイメージして選定しましょう。

4. 情報を収集する

対象とするメディアとキーワードが決まったら、ツールで情報収集をします。ソーシャルリスニングのツールはさまざまあり、Google トレンドやYahoo!リアルタイム検索、Twitterの「高度な検索」機能など無料で利用できるツールもあります。調査するメディアに対応するツールで、目的に合った機能があるツールを選定し、情報収集してください。

5. 集めた情報を分析して商品開発や施策に活用する

ツールを使って情報収集をしただけでは、商品開発やキャンペーンなどの施策に活かすことはできません。収集した情報から、下記のように多角的に分析をすることが重要です。

■ソーシャルリスニングでの代表的な情報分析方法


ソーシャルリスニングの分析では、「数値」という定量的な側面と、「消費者の気持ち」という定性的な側面の両面から、データを分析していきます。例えば、集まった情報を「ポジティブ」「ネガティブ」「ニュートラル」に分け、買いたくない人はどうして買いたくないのかをさらに分析すると、商品開発やPRに役立つでしょう。

CCCMKホールディングスのソーシャルリスニングサービス「Blabo!」の内容と特徴

Blabo! とは、「生活者の本音」からインサイトを導き出すためのコミュニケーションプラットフォームです。
企業が知りたい内容を、生活者が回答しやすい「お題」として掲載し、WEBサイトやアプリを通じて生活者の声を集めることができます。企業と生活者が双方向でコミュニケーションを取ることができるため、生活者とのコメントのやりとりの中で本音を引き出すことができます。さらに、そこからインサイトを抽出し、マーケティングや商品・サービス開発に役立てていくことができます。
一般的な定量調査やデータ分析では、生活者の本音を知ることが難しいですが、Blabo!ではお題を通じた生活者とのオープンなコミュニケーションの中でインサイトを探ることができることが特徴です。 


CCCMKホールディングスのソーシャルリスニング支援サービスの活用事例

事例①消費者インサイトを探り、新しい形のシチューを開発

クライアントの食品メーカーは、カレーに比べてなかなかシチューの売上が上がらないというお悩みを抱えていました。そこで、売上低下の背景にある理由は何かを明確にするために、Blabo!で、「シチューにまつわるモヤモヤ」をお題として生活者の声を募集しました。すると、「シチューがご飯に合わない」事に関する声が多数寄せられ、「おかずとして物足りない」や「もう一品作らないといけない」といったモヤモヤが明らかになりました。その他にも、実はシチュー好きの中には、ご飯にかけて食べる「かける派」がいることも判明しました。その結果を受け、食品メーカーは「かける派」に焦点を当て、一品でも満足のいく新たなシチュー商品を開発しました。
本事例のように、Blabo!では既存製品のモヤモヤをテーマに生活者の声を募集し、商品開発のヒントを得ることができます

事例②:観光地の緊急事態宣言中のキャッチコピー募集

新型コロナウイルス感染症が流行している中、観光地として有名なある島では、島内での新型コロナウイルス感染者の増加を受け、島独自の緊急事態宣言を発出していました。この取り組みをより多くの方に実践してもらうことを目的に「島民も観光客も、島と本土との行き来を抑えたくなる”キャッチコピー”」をBlabo!で募集しました。
結果として、2日間の募集だったにもかかわらず、計199名の参加者から266のキャッチコピーの応募をいただきました。いただいたアイデアの中から、5つのキャッチコピーを選定し、島と本土の間を運行する定期船内のデジタルポスターとして掲出し、島内外への緊急事態宣言の認知拡大に寄与しました。
本事例のように、Blabo!を活用し、生活者に寄り添ったキャッチコピーや商品名を募集することもできます

効果的なソーシャルリスニングを実施して、自社のビジネスに活かそう

ソーシャルリスニングをうまく活用するためには、ツールやメディア、キーワード設定が重要です。効果的なソーシャルリスニングが実施できれば、自社の商品開発やマーケティング戦略の改善に役立つ情報が手に入るでしょう。
ソーシャルリスニングを自社で行うことももちろん可能ですが、自社で効率的に実施できるか不安に思われる方も多いかもしれません。

CCCMKホールディングスでは、「Blabo!」というコミュニティサイトを活用した調査・分析サービスを提供しています。ソーシャルリスニングでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


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